自己愛性パーソナリティ障害の民族や人種的特徴

自己愛性パーソナリティ障害の民族や人種的特徴については、あまり研究がなされていないようです。しかし、いくつかの研究によると、以下のようなことが示唆されています。

1.人口の1%が、一生のある時点で自己愛性パーソナリティ障害を経験すると考えられており、女性よりも男性に多く、また老年者よりも若者に多いという。
2.自己愛性パーソナリティ障害は、文化や社会環境に影響される可能性があり、西側社会においては児童期の自己愛が強化される要因が多く存在するという。
3.自己愛性パーソナリティ障害の有病率には、人種や民族による差異があるという系統的レビューがあり、黒人は白人よりも有病率が低いことが報告されている。しかし、この差異は研究の方法論や測定尺度によっても影響を受ける可能性があるという。
4.自己愛性パーソナリティ障害の治療においては、人種や民族の違いを考慮することが重要であり、文化的感受性や多文化的アプローチを取り入れることが望ましいという。

以上のことから、自己愛性パーソナリティ障害の民族や人種的特徴は一概には言えないと思われます。また、自己愛性パーソナリティ障害の診断や治療には個々の事情や背景を考慮する必要があります。
自己愛性パーソナリティ障害には、以下のような種類があるという説があります。

承認欲求型……自分は優れていて特別であると信じており、他者からの賞賛や称賛を強く求めるタイプです。自分の能力や業績を誇張し、他者の感情や感覚を無視する傾向があります。
支配欲型……自分は権力や影響力を持っていると信じており、他者を支配しようとするタイプです。自分の意見や計画に従わない人に対しては怒りや軽蔑を示し、自分の利益のために人を利用することもあります。
損得勘定型……自分は特権的であり、他者よりも優遇されるべきだと信じており、他者に対して要求が多いタイプです。自分の欲求を満たすためには手段を選ばず、嘘をついたりごまかしたりすることもあります3。

これらのタイプは必ずしも明確に区別されるわけではなく、重なり合う部分もあります。また、これらはあくまで一つの見方であり、必ずしも正しいとは限りません。自己愛性パーソナリティ障害の診断や治療には、専門家による面接や精神療法が必要です。