対人恐怖症の治療

対人恐怖症に効果がある薬とは、どんな薬なのでしょう？

対人恐怖症に使用される薬には、主に以下の三種類があります。





・抗うつ薬（ＳＳＲＩ）
・抗不安薬
・β遮断薬

まず、抗うつ薬であるＳＳＲＩは、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」とも呼ばれており、脳内回路をつなぐシナプスが脳内物質のセロトニンを再吸収してしまうのを阻害する働きがある薬です。

対人恐怖症の人は、うつ病の人同様に脳内物質のセロトニンが不足していると考えられており、セロトニンの再吸収を防ぐことでセロトニンの減少を食い止められるため、大変効果があると言われています。

抗不安薬というのは、人と接する際の不安を和らげるための薬なので、対人恐怖症の人にはとても効果的で、よく処方される薬です。

β遮断薬には、簡単にいえば交感神経の活動を抑えるという働きがあります。

つまり、興奮状態を和らげてリラックス状態にしてくれる薬なのです。

そのため、対人恐怖症に処方されるだけでなく、高血圧の人や心疾患の人にも処方されています。

対人恐怖症は病院に通うことで治るのでしょうか？

対人恐怖症というのは、治る病気だといわれています。

しかし、精神疾患は医師との相性や信頼度によっても、その治療結果に大きな違いが出るものです。

通っている病院の治療方法に不満を感じたり、一向に改善を感じられず、不安が増していくようでしたら、セカンドオピニオンを受けるという方法もあります。

とはいえ、対人恐怖症のような精神疾患は、一般的な怪我や病気のように明らかな患部や治療法がわかるものではありません。

何度も通院して、症状を話したり、性格を理解してもらったりすることで、医師が状況を把握できるという厄介な面があるのです。

もし、次の病院に行っても、前の病院からカルテをもらわなければ、最初からの診断になってしまいます。

すぐに治療の効果が感じられなくても、ある程度は様子をみることも大切です。

病院では薬物療法を始めとしてカウンセリングや心理療法などが行われますが、いずれも即効果が出るというものではないでしょう。

薬物療法で一時的に症状を抑えることはできても、根本的な治療にはなりません。

もし、薬物療法しか行わないような病院の場合には、セカンドオピニオンをオススメします。